この記事には、『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』のネタバレがあります。
未鑑賞の方はご注意ください。
「そのあかいウィンナよこしなッ」
モモンガがちいかわに向けたセリフです。
映画では、このお弁当の場面が丸ごとありません。
カットの理由は、正式に発表されているわけではありません。
ただ、映画での変えかたを見ると、単なる尺の都合とは考えにくいんです。
(原作との違い全体は映画ちいかわは原作とどう違う?感想にまとめました。)
この記事では、赤ウィンナーの場面だけを掘り下げます。
この記事で分かること
・原作の赤ウィンナーの場面と、映画での扱いの違い
・カット理由として考えられる説
・カットで見えにくくなった、ちいかわとモモンガの距離感
ちいかわは赤ウィンナーを渡さなかった
島で出されたお弁当を食べているとき、モモンガがちいかわに要求します。
「そのあかいウィンナよこしなッ」
ちいかわは渡しません。
ふだんから振り回されている相手なので、当然といえば当然の反応です。
そのあと、ちいかわは食後の飴をみんなに配ります。
モモンガにも欲しがられ、嫌そうな顔をしながら、最後には渡していました。
短いやり取りですが、ここに二人の関係がそのまま出ています!
理由① 99分に収めるための時間とテンポの調整
いちばんわかりやすいのは、上映時間の都合です。
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の上映時間は99分。
原作の流れをそのまま追うと、あの場面だけでもセリフは短いですが、表情と間を入れれば数十秒はかかります。
映画では、その後の、うさぎのラップや、セイレーンとの戦闘が大きく膨らませてありました。
日常のやり取りを整理して、見せ場に時間を回した。
そう考えれば、筋は通ります。
ただ、尺だけが理由だとすると、引っかかる部分があるんです。
尺だけの調整だとすると、他の場面での調整も含めて、いくらでもどこかで辻褄が合うのではないかと思うんです。
理由② 初見の観客に、ちいかわが意地悪に見えるのを避けた
私がいちばん可能性が高いと考えているのが、この理由です。
ファンには「いつものやり取り」、初見には伝わらない
モモンガはふだんから、他人の食べ物を欲しがります。
無理な要求をして、かわいこぶって周りを振り回すのもいつものこと。
原作を読んでいれば、ちいかわが厳しい顔をしても納得できます。
でも、映画で初めてちいかわを観る人に、その前提はありません。
事情を知らないまま原作どおりの場面を観ると、こう映ります。
- モモンガがウィンナーを欲しがる
- 主人公のちいかわが強い表情で断る
(この場面だけを切り取ると、)見かたによっては、
ちいかわがモモンガだけを仲間外れにしているように映ります。
映画のちいかわは、
物語の中心にいる主人公。
その主人公が意地悪をしているように見えると、キャラ描写に影響がある、初見の人に誤解が残る可能性があります。
原作・脚本にナガノさんが入ったうえでの変更
今回の映画は、ナガノさんが原作と脚本を担当しています。
制作会社が独断で削ったとは、考えにくいところです。
原作の関係性を否定したわけではないと思うんです。
映画だけを観ても、ちいかわを誤解しにくい形にした。
そう考えると、変更のしかたにも納得がいきます。
あくまで私の解釈ですが、
緻密に練られた上での、構成だったことは間違いありません。
99分を狙った説なども
上映時間が、ちょうど99分。
ちいかわらしい不穏さのある数字なので、わざとそろえたのではないか。
(「99」という数字には、その説によって色々な意味の持ち方をするようです)
そういうファン考察もあります!
もうひとつが、食品メーカーとの兼ね合いを疑う見かたです。
公開されているクレジットに、食品メーカーの名前は見当たりません。
製作委員会の全構成企業が公開されているわけではないので、断定はできませんが。
それに、原作に出てくるのは商品名の付いた商品ではなく、ふつうの赤ウィンナー。
それ自体が問題なら、別の食べ物へ差し替える手もありました。
スポンサーの都合より、キャラクターの印象を調整したと考えるほうが説明しやすいと感じました。
まとめ
カットの理由は、公式には発表されていません。
上映時間の都合もあったと思います。
変更のしかたから考えると、私の結論はこうです。
原作を知らない観客に、ちいかわが意地悪をしていると誤解されるのを避けた。
わかりやすさを優先した結果、小さくても印象的な場面がひとつ減りました。
原作ファンとしては、やっぱり少し惜しい改変ですが、ナガノさんの考え抜いた中での判断であることは間違いありません!
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