映画ちいかわを観終わって数日、まだ頭の中で曲が流れ続けています。
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』は、物語はもちろんですが、音楽の印象がとにかく強い映画でした。
サウンドトラックには、劇伴・劇中歌・主題歌を含む全52曲を収録。優しい曲、笑える曲、不穏な曲、バトルを盛り上げる曲まで、幅の広さに驚きます。
この記事で紹介するのは、特に印象的だった曲と、その映画での使われ方です。
⚠️ ネタバレ注意
本記事には『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』のネタバレを含みます。
未鑑賞の方は、鑑賞後に読むのがおすすめです。
1. 映画の始まりから胸をつかむ『くつずれ』
オープニングを飾るのは、ハチワレが歌う『くつずれ』です。歌唱はハチワレ役の田中誠人さん。
ちいかわのキャラクターたちが勢揃いするイラストとともに流れるのですが、映画が始まったばかりなのに、もうグッときてしまいました。
面白いのは、この曲が冒険よりも「いつもの日常」を感じさせること!壮大な映画音楽ではなく、素朴で親しみやすい歌なんですよね。これから大事件が始まる映画なのに、ちいかわらしい生活感がちゃんと残っている。このバランスが絶妙でした。
2. 『今日の日はさようなら』
前半の日常を象徴する『今日の日はさようなら(ハチワレver.)』
映画の前半では、ハチワレが『今日の日はさようなら』を歌います。
この時点では、友情と穏やかな日常を象徴する曲として聞こえます。歌詞どおりの、素直で温かい別れの歌ですね。
ただ、あとから振り返ると、この場面には大事な役割がありました。
前半で歌詞の素直な意味を見せておくことで、観客は「また会えることが当たり前」という感覚を持ちます。
終盤の『今日の日はさようなら(合唱ver.)』
終盤で流れる『今日の日はさようなら(合唱ver.)』。前半とまったく同じ曲なのに、もう同じ意味には聞こえませんでした。
歌唱はハチワレ、シーサー、島二郎、そして島民たち。
- 島民たちが明るくこの歌を歌う。事件が終わり、前を向いて未来へ進もうとしている場面
- でも、この明るい合唱の輪に、フタバとヒトハだけが入れない
優しい歌を優しいまま使って、こんなに怖い余韻を残す。この使い方こそ、この映画の音楽演出で一番すごいところだと思っています。
3. セイレーンの圧倒的な歌唱力
セイレーン役の鈴木みのりさんは、とにかく歌がうまい!声量も表現力も、劇中歌の枠を超えています。
『島のうた(セイレーンver.)』では、人魚役の大木咲絵子さん、七瀬彩夏さんのハモリが重なって、コーラスとして本当に美しいんです。『島のうた(セイレーンのアカペラver.)』になると、伴奏なしで声そのものが際立って、静けさと不穏さを両立させています。
ちいかわの世界らしい美しさと怖さを、セイレーンたちの歌声を軸に表現しているのが見事でした。
4. 映画館で見る価値がある『うさぎラップ』
張り詰めた話が続いたので、ここからは楽しい曲『うさぎラップ(リズム感のある者たちver.)』です!
- うさぎに加えてモモンガも参加
- 「リズム感のある者たち」という曲名の時点で、もう面白い
- くりまんじゅうのビール缶パーカッションにも注目
終盤のファイナル・カレーバトルを盛り上げる重要な音楽シーンになっています。豪華な映像と音楽は、音響のいい映画館で体験してほしい場面です。
5. 島の中心が変わった?『島のうた(島二郎ver.)』
ちいかわたちを見送る場面で流れるのが、『島のうた(島二郎ver.)』です。歌唱は島二郎と島民たち。
元の歌と違って、内容は貝汁やカレーが中心。思わずニヤリとしてしまう歌詞です。
ただ、笑いながらも少し考えてしまいました。単なる祭りソングにも聞こえますが、島の中心的存在が変化したことを示す演出とも考えられます。
6. 最後のサプライズ『机さする』
エンドロールで流れる『机さする』は、この映画最後のサプライズでした!
歌っていたのは、ちいかわ役の青木遥さん。公開前には曲名や歌唱情報が大きく出ていなかったので、映画館で驚いた方も多かったと思います。
私も、劇場で聴きながら誰が歌唱しているのかすぐには分かりませんでした。
素晴らしい歌声と歌詞で、映画を締めくくってくれました。パンフレットには歌詞も掲載されているため、鑑賞後に読み返すと、曲の余韻をさらに楽しめます。
まとめ|ちいかわ映画の音楽は、物語そのものだった
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の音楽を振り返ると、こうなります。
- 『くつずれ』は、ちいかわたちの日常と映画の始まりを告げる
- 『今日の日はさようなら』は、友情と別れの意味が前半と終盤で反転する
- セイレーンの歌唱力は全編にわたって圧倒的。美しさと恐怖を両立させている
- うさぎラップは、映画ならではの音と映像の見せ場
- 『島のうた(島二郎ver.)』と『机さする』は、最後にちいかわらしい笑いと日常を取り戻す
この映画の音楽は、単に場面を盛り上げるためのBGMではありません。
キャラクターの気持ちや島の異変、そんな残酷な未来まで、曲そのものが物語を語っています。